2024.05.16

TIS、共感AIチャット「ふう」の実証実験を開始。生成AIだけでは実現が難しい、ユーザーへの共感・傾聴を実証

TISの新規事業提案制度「Be a Mover」で採択されたAIチャット事業。身近な人には話しづらい悩みや不安を抱える方へ向けた、メンタルヘルスケアを目的としたサービス

 

 株式会社ゼロワンブースター(本社:東京都千代田区、代表取締役:合田ジョージ、以下「01Booster」)は、TIS株式会社 (東京本社:東京都新宿区、代表取締役社長:岡本安史、以下「TIS」)と2021年より連携し、2018年に同社が取り組みを開始した新規事業提案制度「Be a Mover」のプログラム運営をサポートしています。

 このたび、本プログラムの最終審査会を通過した共感AIチャットサービス「ふう」が、実証実験を2024年4月より開始しました。「ふう」は、身近な人には話しづらい悩みや不安を募らせている方に向けた、メンタルヘルスケアを目的としたサービスです。生成AI搭載のチャットボット「Dialog Play®」を活用し、生成AIだけでは実現が難しいユーザーへの共感・傾聴を約3カ月にわたり実証予定。実証実験終了後には、正式なサービス提供に向けたAI品質向上や利便性向上を行います。

ふうWEBサイト:https://www.aichatfuu.com/

「ふう」について

 「ふう」は、身近な人には話しづらい悩みや不安を募らせているユーザーが、AIチャットに会話を入力することで、共感的な反応と思考の整理を促す問いかけを行い、ユーザーの気持ちの切り替えや言語化による自己理解、安心感の醸成につなげ、穏やかな気持ちをもたらすメンタルヘルスケアを目的としたサービスです。TISの生成AI搭載のチャットボット「Dialog Play®」を活用することで、独自のAIデータベースを使ったユーザー発言内容の判定やプロンプトの自由な組み合わせによる、生成AIだけでは達成しづらい細かなAI発言の調整が可能です。

 

「ふう」の利用イメージ

背景

 厚生労働省の調査※1によると、うつ病や適応障害等の精神疾患の患者数は1996年から2020年までの24年間で約1.7倍に増加しており、メンタルヘルスケアへの関心が高まっています。また、生成AIやヘルスケア関連アプリの普及により、メンタルヘルス市場の成長が続くことが期待されています。
 そこで、自身が抱える不安感に対して向き合い、傾聴してくれる相手が常にいるわけではないことに課題を感じた経験を持つTISの社員が、全社員が所属部署や年次を問わず新規事業のアイデアを応募できる社内新規事業提案制度において「ふう」の立ち上げを提案したことで、今回の実証実験実施に至りました。
TISでは2023年8月にAI利用意向がある20~50代の男女800人を対象に、ユーザーに寄り添い、気持ちを整理してくれる会話をメインとした共感AIチャットの利用意向に関する調査を実施し、そのうち全体の約56%に共感AIチャットの利用意向があることが分かっています。

※1 厚生労働省「令和2年(2020)患者調査(確定数)の概況」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/20/dl/kanjya.pdf

 

「ふう」の特長

 サービスの特長は以下の通りです。

  • クライエント中心療法(※2)の傾聴技法
    メンタルヘルス関連アプリの分野でもっとも幅広く用いられている認知行動療法(※3)ではなく、クライエント中心療法の傾聴技法を用いることで、自己洞察を促す会話を行います。
  • 共感や問いかけによる話題の提供
    ユーザーからの質問を待つのではなく、頷きや共感、要約、問いかけ等により話題を提供します。ユーザーは選択肢から会話を入力することもでき、気軽に会話を継続できます。
  • キャラクターとの会話
    無機質なAIチャットではなく、「田舎のおばあちゃん家のネコ」をモチーフとした親しみやすいキャラクターを採用しています。キャラクターとの会話を通して、日々の生活における出来事を共有することができます。

※2 クライエントの経験を理解・尊重し、受け入れることを重要視する療法
※3 認知や行動の悪循環となっているパターンを見つけ出し、修正することで良い循環に変えていく療法

 

「ふう」の効果

 「ふう」の利用により期待できる主な効果は以下の通りです。

  • 切り替え効果
    「ふう」での会話を通して、感情を落ち着けることで気持ちをリフレッシュし、思考を切り替えます。
  • 言語化効果
    言葉にしづらい感情や不安を言語化するよう促すことで、不安の原因を探り思考を整理します。
  • 安心効果
    いつでも否定せずに聞いてもらえる相手がいることで、慢性的な不安感を軽減します。
     

実証実験

期間2024年4月より3カ月程度を予定 ※期間は変更となる場合があります
対象者身近な人には話しづらい悩みや不安を募らせている個人の方
概要実証実験参加者に対し、「ふう」を利用できる無料チケットを付与。実証実験中は任意回答のアンケートを定期的に実施予定。

 

詳細は以下をご参照ください。
https://www.aichatfuu.com/

 

今後について

 実証実験終了後に正式なサービス提供に向けたAI品質向上や利便性向上を行います。TISが注力する事業領域の一つである「ヘルスケア」領域において、生成AIなどのITテクノロジーを活用し、心身ともに健康になれる世界の実現を目指します。

 

「Dialog Play」について

 「Dialog Play」はオフィスにおける情報・コミュニケーションに関わる様々な業務のDX化を実現するAI搭載型チャットボットサービスです。従来の機能と生成AIを連携することでハイブリットなチャットボットにグレードアップしました。

詳細は以下をご参照ください。
https://www.tis.jp/service_solution/dialogplay/

 

Be a Moverについて

 「Be a Mover」は、TISが2018年から実施している新規事業提案制度です。TISが世の中に提供する新たな価値・市場のアイデアを同社の全社員から広く募集します。採択者は外部メンターによる約4カ月間のプログラムを受講し、プレゼン型の最終審査会を通過した後は事業開発に取り組みます。

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